• キラリと光る個性的なまち川東

高松市のコミュニティ制度は、これまでの10年間で市内全地域に渡り、住民参加と自己解決の実践について1歩も2歩も前進させる契機となった。
しかしながら、この制度の具体的な目標が曖昧であるため、地域の現状が当初の目標に対して妥当であるかどうかが判断できない。すなわち、ゴールが見えないレースを延々と走り続けている状態である。
ここでは、今後ともコミュニティ協議会活動を続けていくこと、すなわち地域課題の解決を住民自らが担い続けていくことを前提に総括したい。

現在抱えている諸課題の根っこに何があるのかを見ると、「現場・現実に対する様々な理解の欠如」が行政側、地域側双方にあるものと考えられる。

  1. 制度上の問題・課題
    ボランティアと協議会の多機能性についての考察
    _ボランティアで現在のコミュニティ協議会のような多機能自治組織、すなわち多様な地域課題を自己解決する組織を運営することは、もともと制度上難しいのではないか。
    _なぜか。「ボランティアは自らやりたいことはやるが嫌なことはやらないし、やらなくてもよい」という認識がないまま制度がスタートしたのではないか。言葉を変えて言ならば、仕事なら自分が食っていくために「嫌な仕事」もするが、ボランティアはその必要がないということだ。
    _結果として、一貫した組織運営、すなわち様々な事業を同時並行的に進めようとして、例えば有償事務局員が酷使されるということが繰り返されるのではないか。ボランティア人材がいつも足らないことの考察
    _ボランティアには金銭的報酬がないため、基本的に「生活基盤が整った住民」しか活動できないという認識が足らないのではないか。さらに言えば、「生活基盤」「時間」「能力」の3拍子がそろっていて、その上に「自分を他人のために働かせるやる気」がなければボランティアはできないのである。そんな奇特な人間がゴロゴロと転がっているはずがない。足らなくて当たり前だ。

    ボランティアの「能力」についての考察
    _ボランティアの誰でもが「問題解決の能力」を持っているという、間違った認識があるのではないだろうか。実際は、「問題」と「課題」の違いさえ説明できない人が多いのではないか。「問題解決のための人材育成」がまさに喫緊の課題である。


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